「米国が利上げ」「長期金利が19年ぶりの高さ」。ニュースで聞いても、自分の株や生活にどう関係するのか、分かりにくいですよね。二交代の勤務の合間に、ニュースを細かく追うのも大変だと思います。
この記事では、米国の最新の数字を表で整理して、日本の高配当株を見るときに何をチェックすればいいかを、やさしくまとめます。2026年10月5日までに確認できた情報で書いています。
先に結論
- 米国は9月16日に0.25%の利上げをしました(政策金利は3.75〜4.00%)。物価高への対策です
- 一方で、9月の雇用は弱めでした(雇用者数は+2.9万人で、予想の+9.0万人を下回りました)。米国の工場の景気は強く、強いところと弱いところが混ざっている状態です
- 日本の高配当株は、①長期金利 ②為替 ③配当を続けられる力の3つを見るのが現実的だと思っています。特定の銘柄を買う・売るという話ではありません
今、米国で起きていること
① 約3年ぶりの利上げ
米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は、9月16日(米国時間)の会合(FOMC)で、政策金利を0.25%引き上げました。政策金利とは、お金の貸し借りの金利の土台になる金利のことです。誘導目標は3.75〜4.00%になりました。利上げは約3年ぶりで、委員12人の全員が賛成しました。
委員が予想する将来の金利を点で示した図(ドットチャート)では、2026年末の中央値は4.1%でした(6月は3.8%)。今の水準から、年内にあと1回の利上げがあることを示す形です。
② 雇用は減速
10月2日に発表された9月の雇用統計は、次のとおりでした。
- 非農業部門の雇用者数(農業以外で働く人の増減):前月より+2.9万人(市場予想は+9.0万人)
- 過去分も下方修正(前に発表した数字が引き下げられました):7月は+2.1万人から−1.0万人へ、8月は+16.2万人から+13.3万人へ
- 失業率:4.2%(前月は4.1%)
- 平均時給:前年同月比+3.0%(伸びは鈍っています)
失業率が上がった理由は、働く人や仕事を探す人が増えたこと(労働参加率:働いている人と仕事を探している人が、人口に占める割合。61.8%に上昇)だと、大和総研は前向きに見ています。また、新しく人を雇わない代わりに、解雇も少ない「低採用・低解雇」の状態が続いているとも解説されています。
③ 物価は高止まり
- 8月の消費者物価指数(CPI):前年同月比+3.4%(前月と同じ。市場予想どおり)
- エネルギーは16.3%、ガソリンは27.4%の上昇(共同通信の報道)
- 食品とエネルギーを除くコア指数:+2.4%(伸びは縮小)
物価を押し上げているのは、主にエネルギーです。中東情勢をめぐって原油が動き、インフレへの警戒につながっていると報じられています。
④ 製造業は底堅い
ISM製造業景況指数は、工場などの景気を示す数字です。50より上なら「拡大」と見られます。9月は次のとおりでした。
- 総合指数:54.5(市場予想は55.0、前月は54.6)。9か月連続で50を上回りました
- 仕入価格:77.9(前月は71.1)。材料などのコストが急に上がっていることを示します
- 牽引役:AI関連のデータセンター投資、防衛関連、電力インフラ
工場で働く立場としても、材料費の上昇は気になるニュースだと感じています。
⑤ 長期金利は19年ぶりの高さ
米国の10年国債の利回りは、19年ぶりの高い水準と報じられています。利回りが上がると、国債の価格は下がります。また、株の割高感が意識されやすくなります。
| 項目 | 数字 | 日付 |
|---|---|---|
| 米10年債の利回り | 5.271% | 10月2日 |
| 米30年債の利回り | 5.620% | 10月2日 |
| NYダウの終値 | 50,906.05ドル(前日比−443.87ドル) | 9月30日(米国時間) |
| 日経平均の終値 | 68,309円46銭(前日比−647円26銭) | 10月2日 |
| ドル円 | 157円台後半 | 10月2日の週末時点 |
出典:マネックス証券、OANDA証券、moneiro の各記事(参考情報に記載)。数字は報道ベースです。
なぜ「雇用が弱いのに利上げ」なの?
9月のFOMCでは、インフレが高すぎて、その状態が長く続いているという認識が示されました。今回の利上げは、雇用よりも物価を重く見た判断だと報じられています。
9月の雇用統計のあと、市場では追加の利上げ観測がやや後退しました。それでも、長期金利は下がりませんでした。景気が弱まる心配と、物価が上がる心配の板挟みになっているような状況だと思っています。
日本の高配当株への影響(一般的な見方)
ここからは、あくまで一般的な傾向です。必ずそうなるわけではありません。
① 長期金利
米国の長期金利が高いと、国債などの利回りと比べて、株の配当利回りの魅力が相対的に下がりやすくなります。高配当株が売られやすい場面がある、ということです。
② 為替
ドル円は157円台後半まで円安が進んでいます。円安は、海外で稼ぐ割合が大きい会社の利益を、円に直したときに増やしやすい面があります。一方で、原材料やエネルギーを輸入に頼る会社は、コストが増えやすくなります。
③ 分野ごとの見方
| 分野 | 追い風になりやすい点 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 銀行・保険 | 金利が上がると、運用面で追い風になりやすい | 日銀の利上げ観測が後退すると売られやすい(10月2日は銀行株・保険株が軟調でした) |
| 商社・資源 | 原油や資源の価格、円安が追い風になりやすい | 資源価格が下がる局面や、世界の景気が弱まる局面 |
| 通信・電力・食品など生活に近い分野 | 景気に左右されにくい | 金利が上がる局面では、買われにくいことがある(米国では9月30日に生活必需品やヘルスケアが売られました) |
| 不動産・住宅 | 景気が安定していれば底堅い | 金利が上がると、借入のコストが重くなりやすい |
④ 配当を続けられる力
金利や為替が大きく動く時期ほど、利回りの高さだけで選ばないことが大切だと思っています。次の点を、決算で確認してみてください。
- 配当を出し続けてきた実績や、増配の実績
- 配当性向(利益のうち配当に回す割合)が高すぎないか
- 業績が安定しているか
- 借入が多すぎないか
家計の目線で(物価高と円安の時代に)
円安や原油高は、電気代やガソリン、食品など、生活費にも響きます。株の見通しを考える前に、毎月の固定費を軽くしておくと、気持ちにも余裕が生まれると思っています。通信費は、見直しの効果が出やすい固定費の代表です。
これからの予定(チェックしたい日)
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 10月14日・15日 | 米国の消費者物価(CPI)と生産者物価(PPI)の発表予定 |
| 10月27日・28日 | FOMC。市場では据え置きが優勢と見られていますが、データ次第とされています |
この記事は10月5日までの情報で書いています。14日・15日に発表される予定の物価指標の結果で、見方が変わる可能性があります。最新のニュースもあわせて確認してください。
まとめ
- 米国は約3年ぶりに利上げをして、雇用は弱め、物価は高止まり、長期金利は19年ぶりの高さです
- 日本の高配当株は、長期金利・為替・配当を続けられる力の3つを見ていくのが、分かりやすい考え方だと思っています
- 数字が大きく動く時期こそ、一つのニュースで慌てず、最新の情報を確認しながら判断したいですね
参考にした情報
- 大和総研「米国9月雇用統計」(2026年10月5日)
- マネックス証券「米国9月雇用統計」(2026年10月5日)
- ピクテ「米国9月雇用統計」(2026年10月5日)
- OANDA証券「2026年9月FOMC」
- primo-color「FRBが3年ぶり利上げ|2026年9月FOMCの決定内容と日本の家計への影響」
- 共同通信配信「米8月物価3・4%上昇」(秋田魁新報)(2026年9月11日)
- 第一生命経済研究所「米国9月ISM製造業景況指数」(2026年10月1日)
- OANDA証券「NYダウの振り返りと見通し」(2026年10月1日)
- OANDA証券「ドル/円見通し」(2026年10月5日)
- moneiro「日経平均の動向」(2026年10月5日)

コメント